育てて増やす第13章 ・ 読むのにかかる時間 約4分

棚卸しと引っ越し

増やしたら減らす。「新しいほうが正しい」とは限りません

スキルは資産ですが、資産は放っておくと散らかります。この章は、僕が34本の体制に整えるまでにやった棚卸しと引っ越しの実録から、あなたが月1回やるだけでいい形に落とした話です。教訓もひとつ持ち帰ってください。「新しいほうが正しい」とは限りません

この章でできるようになること

  • 月1回の棚卸しを、依頼文ひとつで回せる
  • スキルの控え(バックアップ)を持つ理由が分かる
  • 2つの版が食い違ったときの見比べ方が分かる

実録:置き場所がバラバラになっていた

2026年8月のある夜、スキルの参照関係を洗っていて青ざめました。長く使ううちに、スキルの実体があちこちに散らばり、控えのない置き場所に7本が孤立していたんです。パソコンが壊れたら、7本ぶんの「仕事の言語化」が消える状態でした。

その日のうちに全部を1か所の管理下に集めて、控えを持つ形に引っ越しました(27本を一気に移動しました)。あなたにこの規模の引っ越しは要りませんが、原理だけ持ち帰ってください。スキルはただのフォルダなので、コピーひとつで控えが取れます。逆に言えば、控えを取らない限り、その手順書はパソコン1台の運命と心中します。数か月かけて言語化した仕事のやり方を、1台の故障で失うのは、もったいないでは済みませんよね。

やってみよう① 控えを取ります

私のスキル置き場(個人用とプロジェクト用の両方)を丸ごとコピーして、日付き(skills-backup-今日の日付)のフォルダとして、私の書類フォルダに控えを作ってください。終わったら、控えに入ったスキルの本数と一覧を見せてください。

教訓:日付が新しいほうが正しいとは限らない

引っ越しの最中に、同じスキルの版が2つ見つかったことがありました。片方は古く、片方は新しい。僕は反射的に「古いほうを捨てよう」と判断しかけて、開いてみたら逆でした。古いほうが正しい設計で、新しいほうは中身を余計に抱え込んだ複製だったんです。

以来、版が2つあったら日付で決めずに、中身を並べて見比べてから決めています。見比べるのはClaudeの得意技なので、あなたは「2つの違いを表にして。どちらを残すべきかは、私が決めます」と頼むだけです。第12章の「数えてから決める」と同じ思想ですね。判断の材料を出させて、決定だけ自分でやる。

月1回の棚卸し

ここまでの整理を、月1回のルーティンに畳みます。やることは3つだけです。

  • 今月呼んでいないスキルを外す。第03章で見たとおり、一覧表の枠は全体の1%で、あふれると呼ばない順に説明文が削られます。外すといっても消さずに、退避用のフォルダに移すだけです
  • 説明文の言い回しを現場に合わせ直す。仕事が変われば呼び名も変わります。先月から社内で「週報」が「ウィークリー」に変わったなら、説明文も追いかけます
  • 控えを更新する。やってみよう①をもう一度
やってみよう② 月1回の棚卸しを任せます

スキルの棚卸しをします。次の順でお願いします。 1. いまあるスキルの一覧を出して、それぞれ最近の会話で使った記憶があるかを添えてください 2. しばらく使っていなさそうなスキルは「退避候補」として挙げてください。消すかどうかは私が決めます 3. 残すスキルの説明文を見て、古い言い回しや、今の仕事と合っていない箇所があれば指摘してください 4. 最後に、スキル置き場全体の控え(日付きフォルダ)を作り直してください

15分で終わります。この15分で、「増やしたのに呼ばれない」の大半は起きなくなります。

この章のまとめ

スキルはフォルダなので、コピーで控えが取れて、コピーで引っ越せます。版が2つあったら日付で決めず、中身を並べてから。そして月1回、呼んでいないものを外し、説明文を現場に合わせ、控えを更新する。ここまでで、作る・呼ぶ・直す・育てる・整えるが全部そろいました。次は総仕上げ。あなた自身の仕事を、もう1本スキルにします。

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