スキルのしくみ第02章 ・ 読むのにかかる時間 約5分

AIはどうやってスキルを選ぶか

いつも見ているのは名前と説明文だけ。ここで勝負が決まります

スキルを作ったのに使われない。原因のほとんどは本文ではなく、説明文の1〜2行にあります。なぜそこで決まるのか。Claudeがスキルを選ぶしくみを先に知っておくと、あとで直す場所を間違えません。

この章でできるようになること

  • Claudeが「いつも見ている情報」と「必要なときだけ読む情報」を区別できる
  • スキルが呼ばれるかどうかは説明文で決まる、と理由つきで言える
依頼が来る→一覧から選ぶ→手順書を開く。この流れが毎回起きています。

Claudeは、手順書の中身をまだ読んでいません

意外に思われるのですが、会話を始めた時点のClaudeは、あなたのスキルの本文を1行も読んでいません。公式ドキュメントによると、起動時に読み込まれているのは各スキルの「名前」と「説明文」だけです。

新しく入ったスタッフに引き継ぎファイルを10冊渡した場面を思い浮かべてください。全部を暗記させるのは無茶ですよね。実際にやるのは、ファイルの一覧表を渡すことです。「議事録の作り方」「請求書チェックの手順」と、タイトルと一言説明が並んだ一覧。仕事が来たら、まず一覧を見て、合うファイルを開く。

Claudeがやっているのは、まさにこれです。手元にあるのはスキルの一覧表だけ。あなたの依頼が来ると、一覧表の説明文と見比べて、「この依頼はこのスキルの出番だ」と判断したものだけを開きます。

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スキルが選ばれる流れ 依頼が来ると、Claudeはスキルの一覧表(名前と説明文だけ)を見て、合うスキルのSKILL.mdを開きます。選ばれなかったスキルの本文は読まれません。 依頼 「議事録にして」 スキルの一覧表 名前と説明文だけが載っている gijiroku seikyusho-check mail-shitagaki SKILL.mdを開く 選ばれたものだけ読む 選ばれなかったスキルの本文は 読まれないまま
会話の最初にあるのは一覧表だけ。本文は、選ばれたスキルの分だけ開かれます。

だから、勝負は説明文で決まります

このしくみから、大事な結論がひとつ出ます。本文をどれだけ丁寧に書いても、選ばれるかどうかには関係しないということです。選ぶ時点のClaudeは本文を読んでいないからです。

説明文が「文章を整えるスキル」のように曖昧だと、どの依頼のときに開けばいいのか判断できず、必要なときに呼ばれません。逆に広すぎると、関係ない依頼にまで反応します。呼ばれない事故も、呼ばれすぎる事故も、直す場所は同じ。説明文です。

僕の現役スキルの説明文を1つ見せます。勉強会の録画をアーカイブ一式に仕上げるスキルです。

description: AIあそ部の勉強会Zoom録画を渡されたら、ダウンロードから
  アーカイブ一式(本編・切り抜き・スライド・紹介動画・学習サイト・
  Vibelyチャプター・SNS投稿キット)まで作り切るスキル。
  「AIあそ部のアーカイブとして保存して」「この録画をアーカイブに」
  「勉強会の録画を保存して」と言われたら必ずこのスキルを使う。
  ZoomのURLだけ渡された場合も起動してよい。

注目してほしいのは、僕がふだん使う言い回しがそのまま書いてあることです。「アーカイブとして保存して」。実際に僕はこう頼みます。だからこの一言で確実に呼ばれます。説明文の書き方は第07章でじっくりやりますが、原理はこの一覧表のしくみから全部出てきます。

一覧表に載る量には、上限があります

もうひとつ、しくみの話を先にしておきます。一覧表に載る説明文は無限ではありません。1スキルあたりの説明文は長すぎると途中で切られますし、スキルの数が増えると、一覧表全体の枠を分け合うことになります。枠が足りなくなると、呼ぶ回数が少ないスキルから順に、説明文が削られていきます(名前は消えません)。

「増やしたのに、前より呼ばれなくなった」という不思議な現象の正体はこれです。具体的な数字と対処は第03章と第13章で扱います。ここでは「一覧表には枠がある」とだけ覚えておいてください。

この章のまとめ

Claudeが常時見ているのはスキルの名前と説明文だけで、本文は選ばれたときに初めて開かれます。だから、呼ばれるかどうかは説明文で決まります。本文の丁寧さは選ばれたあとの仕上がりを決めるもので、役割が違うんです。次の章では、この「必要になるまで読まない」しくみを数字つきで見ます。何個作っても軽いままでいられる理由が分かります。

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